アンサンブル予報とは、ある時刻に少しずつ異なる初期値を多数用いて、複数例の数値予報を行なって、そこから平均をとり、予報を作成する方法をいいます。
平均を取れば、それぞれの誤差同士が打ち消し合って、平均的な大気の状態が予測でき、予想精度を高めることができるのです。
気象庁では、アンサンブル予報を1週間天気予報、1か月予報、3か月予報に導入しています。
アンサンブル予報は、企業などの天候リスクマネジメントへの活用が検討されています。
アメダス(AMeDAS)とは「Automated Meteorological Data Acquisition System」の頭文字を並べた略称で、「地域気象観測システム」と言います。
雨、風、雪などの気象状況を時間的、地域的に細かく監視する目的のために、降水量、風向・風速、気温、日照時間の観測を自動的10分ごとに行ないます。データは専用の電話回線で東京にある地域気象センターに集められ、コンピューターで編集した後、気象台などに配信されます。
そのアメダスの細かなデータは、局地的な気象状況を監視することができるので、集中豪雨や暴風雨雪などの気象災害の防止・軽減に重要な役割を果たしています。
アメダスは1974年11月1日から運用を開始し、現在、全国の降水量を観測する観測所は、平均すると約17km間隔で約1,300ヶ所あります。
降水量に加えて、風向・風速、気温、日照時間を観測しているのは、このうちの約850ヶ所(約21km間隔)で、雪の多い地方の約280ヶ所では積雪の深さも観測しています。
あられは、空から降ってきた雪の結晶が、下からの上昇気流に押し上げられては落下するということを何度も繰り返すうちに、たくさんの水の粒が凍りついて、直径がおよそ2~5ミリほどの氷の固まりとなって降ってくるものをいいます。
あられが直径5ミリ以上のものになったものは、「ひょう」と呼ばれます。
異常潮位とは、台風などによって引き起こされる高潮や地震に伴う津波や副振動のような振動現象ではなく、広範囲にわたり潮位(海面の水位)が比較的長期間継続して平常時より高く(あるいは低く)なる水位の異常のことを言います。
暖かい海水の渦が接近した場合や、太平洋側では黒潮が通常より四国、本州などに接近した場合、また、気圧配置などその他の要因と複合して発生すると考えられています。
他の季節と比べて全国的に潮位が高くなる夏から秋にかけては、異常潮位や高潮が生じて潮位がさらに高くなると、浸水などの被害を生じることがあります。異常潮位は年間を通じて発生しますが、予測が困難な現象なのです。
いわし雲は、うろこのようにひろがってみえる雲で、絹積雲(上層雲のひとつで、空高くかかる白いまだらの雲)のことです。
さば雲、うろこ雲とも呼ばれています。
ウェザーデリバティブとは、気温などの気象変動から事業を守る手法です。
契約期間中の天候不順や予想外の気候変動であらかじめ決めた値の範囲を外れた場合、約束の金額を受け取れる仕組みの金融派生商品のことです。
日本でも2000年、小売業やリゾート関連業界などで取引が行なわれ、ビール会社、清涼飲料会社、冷菓製造会社、旅行会社、テーマパークから農業・漁業に至るまで、多くの企業に取り入れられています。
また、気象状況の変化は消費者の行動にも大きな影響を及ぼします。
ウォーカー循環とは、赤道付近で起こる東西方向の循環のことを言います。
インドネシア付近が上昇流域に、太平洋東部が下降流域になっています。
一般に対流圏上層では西風が、下層では東風が吹いています。
エルニーニョ現象とは、東部太平洋赤道域、南米エクアドルからペルー沿岸にかけて、海水温が2~7年おきに平年より1~2℃、ときには2~5℃も上昇する現象のことで、水温の高い状態は半年から1年半程度続きます。
この影響は、なんと地球全体に及び、世界各地に異常気象を引き起こすと言われています。
これとは反対に、東太平洋赤道域の海面水温が平年より低くなる現象をラニーニャといいます。スペイン語で"女の子"のことで、エルニーニョの"男の子"に呼応して名づけられました。
ENSO(エンソ)とは、エルニーニョ/ラニーニャ現象と南方振動とまとめて表現したものです。
エルニーニョ(El Nino)と南方振動(Southern Oscillation)のそれぞれの頭文字を取ってENSO(エンソ)と呼ばれています。
これらは同じ現象を海洋と大気の側面からとらえたものと考えられています。