気象現象を予測する際には多少の誤差が伴うので、季節予報をする時には予報する対象地域を都道府県単位から、もっと広い地方単位、地域単位にしたりします。
また、明日、明後日などの単位から、1ヶ月間、3ヶ月間と予報期間を延ばしたりします。
移動性の高気圧や低気圧の予測は、1~2週間が限界ですので、予報期間が長い季節予報の際には、移動性のものより動きの遅い「大気の流れ」を予測して予報を出しているのです。
季節予報では、大気の流れの状態で予報が可能な時は、「雨の日が多い」などの表現で天候の予想も行いますが、通常は気温、日照時間、降水量、降雪量を基本的な予報要素としています。
季節予報の際にはその誤差の大きさを表現するため、確率を用いた表現を使うことが基本となっています。
季節予報では3つの確率を使います、
気温や降水量を3階級に分け、それぞれに対して確率を示しています。
しかし、全部の階級に注目するわけではなく、例えば「平年並」かどうかに関心がある場合は、その確率だけに注目するとおおよその気象予報がわかるというわけです。
また、3階級だけでなく、「月平均気温が平年より1℃以上高くなる確立は50%」などという言い方で確率をつけることもできます。しかしその場合には、月平均気温が平年より1℃以上高いというのはどのような意味になるのか、それは特異な現象なのか、という知識がないと利用しにくい面があるため、気象庁では3階級それぞれに確率をつけて発表しているのです。
季節予報の予報精度についてみていきましょう。
季節予報では主に確率を用いて予報を表現しますが、その確率の値がどれほど的確であったかということを中心に精度を評価します。
個々の予報があたっているか、間違っていたか、ということを評価するわけではなく、多くの予報例を総合的に統計的に処理する方法をとることによって、季節予報の平均的な予報精度を評価します。
これまでに使われてきた統計的な手法に加えて、今後は数値予報モデルというのを導入していき、更なる予報精度の向上を目指していますが、現段階ではまだ数値予報モデルは開発途中であり、実際にどの程度予報精度が向上するかということはまだわかっていません。
気象庁では、確率による季節予報の様々な表現方法を、予報の利用法とあわせて各目的に適した表現方法を検討していく方針になっています。