気象観測:気象予報士と天気のおはなし

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気象観測

● 気象観測について

気象庁の気象観測は、国際的な基準に基づいて行われています。
気象観測の要素には、気温、湿度、降水量、風向き、風速、気圧、積雪・降雪の深さ、雲、日照時間と全天日射量、大気現象などがあります。

測定の方法については、一部の要素を観測者が目視によって観測する以外は、ほとんどが計測器によって自動的に測定されています。
気象観測は、気象庁の他に全国12000ヶ所におよぶ地点で国や地方公共団体が行っています。

最近では、自らの観測結果をインターネットや携帯電話を通じて公開している機関も増えてきました。
また、地域気象観測システム(アメダス)による気象観測も、全国1300ヶ所以上の地点で自動で行われているのです。

● 気象観測の種類について

気象観測の種類についてみていきましょう。

気象台や測候所などの気象観測所は全国で約150ヶ所あり、そこでは地上で観測できる気象観測が行われています。
気温や湿度、風向きや風速、降水量などの観測から、大気現象や雲の形や量なども観測しています。

前述のアメダスと呼ばれている地域気象観測システムでは、雨量を自動的に観測しています。
気象情報
気象レーダーによる気象観測では、電波を使って雨や雪の降り具合、その強さ、移動の仕方、分布範囲、などを連続的に観測していき、そのデータとアメダスで観測した雨量を組み合わせ、よりきめ細かな雨量の分布(レーダー・アメダス解析雨量)の作成もしています。

静止気象衛星で行われる気象観測では、雲の分布状況やその高さ、上空の風の状況や海面の水温の分布などを観測しています。

ラジオゾンデによる観測と、ウィンドプロファイラによる高層の気象観測では、気圧、湿度、風向風速などを観測しています。
そのほかには、高潮などの観測のための検潮所、波の観測のための沿岸波浪計などの種類があります。

● 気象レーダー気象観測

では、気象レーダーでの気象観測を少し詳しくみてみましょう。

気象レーダーを使った気象観測では、マイクロ波とよばれる光速で直進する電波を用いて、短時間で半径数100キロの広範囲内の雨や雪を観測することができるのです。

電波が進む進路上にある物体に、エネルギーの一部が反射されて戻ってきた電波の強さを測定することで、雨や雪の量や強さを決めています。
そして、電波を発するアンテナを回転させると、さらに広範囲での観測が可能となっています。

マイクロ波は直進するため、障害物があるとそれより先には届きません。
また、あまり遠距離になってくると、地球表面が球面なため電波が直進したまま上空に行ってしまい、低いところの雨や雪を観測できません。ですから、レーダーはできるだけ山の上や鉄塔の上などの高い場所に設置するほうがよいのです。

気象庁では、国土の全域をカバーできるように地形の影響も考慮したうえで、レーダーを配置しているのです。

● 気象衛星による観測

気象衛星による観測も少しみてみましょう。

気象衛星、運輸多目的衛生ひまわり6号を用いて行われる気象観測は、主に雲などの観測に使われています。
気象衛星から気象衛星配信している画像には、可視画像、赤外画像、水蒸気画像などがあります。

衛星から見えている地球の全ての範囲の観測では、太陽からの可視光線(反射光)や地球からの赤外線などを1時間ごとに観測していて、北半球の観測は30分ごとに行っています。
また、数値予報に必要とされる観測では、1日に4回上空の風の観測を行うため南半球の観測を行っています。

なお、気象衛星では、ある一定の時間帯、観測ができないことがあります。衛星と太陽、及び地球が同一平面上にくる時は、衛星のカメラに太陽光が直接あたることを避けるために観測と画像の配信をしてはいけないのです。

● 気象観測の統計

気象庁の公表している統計値には様々なものがあります。
地上気象観測、高層気象観測、アメダスなどのデータを基に、月の平均気温などの統計値を算出しています。

気象庁では、二つの作業で統計作業を行っています。
まず、観測データをもとにして日平均気温などの日別の値を準即時的に計算して、それらの値から月別、旬の値などを計算します。そして次にそれらの統計値を用いて、統計開始からの極値と順位置などの値を計算します。
平成17年からはこの作業に新しい統計方法を用いられることとなりました。

今までは、資料数の不足やデータの質の良し悪しで統計値を求めないことがありましたが、今後統計値の有効利用のため、多少不正確な場合でも品質情報とともに統計値を公表することとなりました。

● 気象庁の観測システム

気象庁では、気象業務の基礎となる様々な気象観測が行われています。
地上気象観測から、地域気象観測システム(アメダス)、高層気象観測、気象レーダー観測、人工衛星による観測など、実にいろいろな方法で気象観測を行っています。

これらのシステムを利用して、気温、湿度、風向風速、上空の気圧、降水量、積雪量、などの色々な気象観測が行われています。

また、それらの観測データは気象庁に集められた後、数値予報のためのデータとして使われたり、気象の解析のために使われたりします。そして、各地にある気象台や測候所に送られ、天気予報や防災業務に使われるのです。

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